知的プロフェッショナルへの戦略―知識社会で成功するビジネスマン11の心得 田坂広志(著)

知的プロフェッショナルへの戦略―知識社会で成功するビジネスマン11の心得
田坂広志さんの本、3冊目です。今回は、「知的プロフェッショナルへの戦略」です。
まず初めに、この本は2002年の3月に出版、つまり今から3年近く前に書かれているにもかかわらず、古臭さを感じません。逆に、3年前に今の世の中を予見していたという意味で説得力が増しています。
知的プロフェッショナルの定義はナレッジ・ワーカーと対比することで、より明確になります。
ナレッジ・ワーカーは専門的な知識を使って仕事をしている人。
知的プロフェッショナルは、職業的な知恵を使って仕事をしている人。
簡単に言えば、知識の深さの違いです。その深い知識とは、暗黙知の事です。これは、以前ご紹介した「なぜマネジメントが壁に突き当たるのか」にも書かれています。
インターネットの普及によって、専門的な知識の価値は下がって行きます。それは誰しもが得られる知識だからです(専門知識の共有化)。単に知識を伝えているだけの人(知識の流通の中間業者)の価値も究極的にはゼロになるまで下がって行きます。
深い知識を持つ人の価値は、今後も加速度的に高まってきます。まさに一人勝ちです。ブロードバンドの発達によって今まで制限があった場所の問題もなくなります。以前はその人が海外にいれば、仕方なく近くのそこその人に聞くこともあったでしょう。でもこれからは、その人が世界のどこにいようとも連絡が取れ、ビデオ会議で直接話ができるようになれば、なおさら集中化していきます。
この本には知的プロフェッショナルになるためのキャリア戦略、自己投資の戦略が具体的に示されています。
職業的な知恵(ディープ・ナレッジ)をどのように得て行くのか。特に 知恵は等価交換であるという考え方は私の意識に深く残りました。
この本も田坂さん独特の書き方で、行間も広く取ってあり、ボリュームはそれほど多くないのですが、一つ一つの言葉が心に染みます。
■他にも読んだ田坂氏の本の感想
なぜマネジメントが壁に突き当たるのか―成長するマネジャー12の心得
目次
第1話 「ナレッジ・ワーカー」ではなく「知的プロフェッショナル」をめざせ
第2話 「知識の流通革命」が始まり「中抜き現象」が起こる
第3話 「知識資本主義」の時代は「勝者一人勝ち」の時代となる
第4話 「知識社会」では「収穫逓増」のキャリア戦略を取れ
第5話 「キャリア戦略」には「波乗り」の戦略思考が求められる
第6話 「自己投資の戦略」における「3つのポイント」を誤るな
第7話 「師匠」を見いだし「ディープ・ナレッジ」を学べ
第8話 「傾聴力」と「反省力」という「メタ・ナレッジ」を身につけよ
第9話 「智恵の等価交換」と「共感」のネットワークを築け
第10話 「個人カンパニー」の時代には「個人ブランド」を生み出せ
第11話 「パーソナリティ」こそが「最高の戦略」となる
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